メ・チャン・タイ村 アカの人々


「メ・チャン・タイ村」といわれても、ご存じない方がほとんどではないでしょうか。

 

日本人にも人気のあるタイの古都チェンマイから車で北に約3時間。急勾配の山道を登り、標高1300メートルを越える山腹から山頂に40世帯ほどの山岳少数民族の伝統的な家屋が点在する村です。

 

首都バンコクでは日中35度を超す猛暑でも、ここでは村を渡る風も心地よく、夜は薄手の上着がほしいほどです。

 

ここに住んでいるのは山岳少数民族アカの人たちです。中国雲南省に起源をもち、現在ではタイ、ラオス、ベトナムの山岳地帯に多く居住しています。アムネスティ・インターナショナルによれば、タイの人口の約15%がカレン、モン、リスなどの少数民族で、多くは中国雲南付近から南下してミャンマーやラオスを経てタイ北部にたどりついたとされています。このうち、タイ国内には6万人以上のアカの人たちが住んでいます。

 

アカの伝統的宗教はシャーマニズム。村ごとに「聖なる場所」があり、多くの場合は「泉」であることが多いようです。メ・チャン・タイも村の入り口には日本の鳥居と似た門があり、村には「ウー・チョ・ロコ」と呼ばれる聖なる泉があって、村のお祭りや結婚式、新年などのお祝いのときだけ、この泉の水を汲んで使うそうです。

 

アカの人々の衣装で印象に残るのは、女性が頭にかぶる「ウチュ」とよばれる銀製の兜様の冠りものです。

 

メ・チャン・タイでは、かがり火を囲み、太鼓や太い竹の楽器に合わせて、華麗な民族衣装をまとった女性が踊る伝統芸能を楽しむこともできます。

「ウチュをつけたAkhaの人」

焚き火を囲むように左回りにまわっていきます。

印象的でシンプルなリズムと踊りを繰り返します。

(2023 1月メチャンタイにて)